第3回スポリティファイン協力者協議会

 

9月17日、午後3からもみじ台管理センターで開催されました。

今回も自治会、学校、行政、高齢者クラブなど諸団体関係者及び会員の皆様に参加頂き

クラブの活動報告を兼ね、「地域とスポーツ」をメインテーマに意見を交換させて頂きました。

その内容を会議録としてそのまま掲載させて頂きます。

学校はじめ地域が抱えているスポーツ(運動)事情を垣間見て頂けると思います。

 なお、この会議録は株)石塚計画デザイン事務所の蔵田恵さんに作成して頂きました。

Ⅰ 理事長あいさつ 谷島俊勝

 

 みなさんこんにちは。本日はお忙しいところ参加いただきありがとうございます。このたびは突然ご案内をもらったという人もいるかも知れません。今回は、普段小中学生に深く関わりを持つ役割の方々に、スポリティファインを知っていただき協力をいただきたいと声をかけました。どうぞご理解ください。

 この会には「総合型地域スポーツクラブ」という名称がついていますが、誰もが体力や年齢に応じた運動をしましょうという想いで立ち上げました。設立のきっかけは私なりに2つあります。一つは、もみじ台まちづくり会議に参加する中で、もみじ台の少子化高齢化が急速に進むという状況を聞き、自分のこととして何かしないといけないと強く感じました。また平成23年にスポーツ基本法ができ、札幌市がスポーツ推進計画を発表しました。そんなきっかけがあり、私たちにできることをしたいという想いでこの会を立ち上げました。

 日本人の平均寿命は世界一といわれていますが、しかし健康寿命はどうなのかと考えた時に、かなりの開きがあることがわかります。命の尽きる間際まで健康であることは、本人だけでなく家族にとっても幸せなことです。それぞれの健康寿命が長いということは、社会に貢献することでもあります。体力や脳の働きは衰えても、自分なりに体を動かしたり、仲間と交流を持ったりすることで脳が活発に働き、健康寿命が伸ばせるということを専門家やお医者さんが強く言っています。体を動かし交流することは、高齢者だけでなく、子ども達が好ましく成長するうえでも欠かすことのできないことだといわれています。生まれてから死ぬまで体を動かし、会話を通じて他人と心を通わすことはとても大切なことです。スポーツを通じてコミュニティをつくるという意味で、この会に「スポリティファイン」という名称をつけました。地域の役に立ちたいという思いでこの会を立ち上げています。

 今日は、はじめに活動を報告し、そのうえで地域のスポーツのあり方について意見交換をしたいと思います。よろしくお願いします。 


Ⅱ 来賓あいさつ

 

もみじ台自治連合会会長 東健二郎氏

 

 私はスポリティファインの関係者の一人であります。歩くスキーを愛好していて、冬は皆さんと一緒に活動をしています。もみじ台地域は高齢化しており、この地域を盛んにしていくためにも、また生活習慣病を予防するためにもスポーツは重要だと思います。私自身は体力が落ちて来て思うようにいかないこともありますが、今後もこの会に協力をしていきたいと思います。

 地域では今、まちづくり会議をもっと活発に推進しようとしています。支えあいとつながりのまちづくり部会をつくり、住民が自ら取り組めることを検討しています。一昨日、厚別区から連絡があり、さわやか福祉財団の堀田力さんがもみじ台に来て講演をしてくださることになり、11月の開催に向けて準備をしているところです。地域みんなで支えあい、つながっていけるようなまちづくりをしていきたいと思います。また、地域の基盤となる自治連合会の組織を強化していくことも大切ですので、私も一員としてがんばっていきたいと思います。

 今年の歩くスキーも、会員の一人として体を鍛えていきたいと思います。 

 


厚別区市民部地域振興課長 佐久間聖子氏

 

 みなさまには、日ごろから地域のまちづくりに協力いただきありがとうございます。このような会への出席は初めてですが、スポーツを通じたコミュニティづくりという考え方は大切なことだと思っています。

 厚別区の中でももみじ台地区の高齢化率は53.7歳となっており、65歳以上の割合が42.4%と、高齢化が進んでいます。そのような中、みなさんが生涯現役でいられるということはとても大切なことだと思います。

 運動習慣が認知症予防等の意味で大切だとわれています。厚別区では厚別区民の郷土愛を育もうと平成3年に制作した「厚別音頭」の普及を進めていますが、踊っていると自分の体幹がぐらついているのが分ることがあります。また先日自宅マンションのエレベーターが工事のため止まることがあり、12階まで上り下りしなければならなかったのですが、最初はつらかったものの、だんだん慣れていき、いい運動になっていたので、再開した後も続けています。この経験から、何か運動を始めるにはきっかけが大切だと思っています。いろいろなきっかけが身近にあり、子供の頃から運動することを習慣づけることは大切だと思います。スポリティファインのこれからの活動に今後も期待していきたいと思います。


Ⅲ 活動状況の報告と協議                    発言者名の敬称は略しています

 

                               1.小中学生の運動と成長      

谷島 活動状況についてご報告します。札幌市では文部科学省の「スポーツ基本法」を受けて、「スポーツ推進計画」をつくりました。この計画には10年分の取組が書かれており、「スポーツを通じ 市民が、地域が、札幌が元気に」と書かれています。これは、市民を私たち、地域をもみじ台として受け取ることができます。

 スポリティファインの活動は大きく3つあり、それぞれの活動をしている人から発表をしていきたいと思います。その後、自分自身のことや、ご所属の会のみなさんの運動不足をどうしたらいいかなど、意見交換をしていきたいと思います。

 はじめにジュニアクラブに参加している3人の子ども達に作文を読んでいただきます。


もみじの森小学校 五年

     榊原 凛

スポリティファインの中で一番好きなスポーツは、フロアーカーリングです。

 最初は、うまくできなくてむずかしかったけど、どうやったらターゲットに近づけられるのか考えたりチームで協力してやるのが楽しいです。

 それと、大会があったりしておもしろいです。

 私は2年生から参加しています。

  来年もやりたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もみじの丘小学校  三年

    七宮 環希

わたしは去年から、スポリティファインに通っています。ドッヂボールや、キンボールや、カーリングや、スポーツチャンバラや、走り方きょうしつをしてきました。

 わたしは、キンボールが一番すきです。キンボールの楽しい所は、大きいボールをなげる所と、みんなでキンボールをけるところです。みんなで、キンボールをしているときとても楽しいです

 またこの前、カーリング大会にでました。かったり負けたりしました。負けたとき、くやしいと思いました。いっぱいれん習して来年は、ゆうしょうしたいです。 

 これからも、スポーツを楽しみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もみじの森小学校 三年 

     榊 原葵

わたしは、スポリティファインに、初めて行った日は、走り方教室でした。

 さいしょは、きんちょうしたけど、そこで友だちができて、楽しい日曜日が始まりました。

 6月からは、色々なスポーツになりました。キンボール、チャンバラ、フロアーカーリングです。チャンバラとキンボールは教えてくれる先生が来ます。その中でも一番好きなのは、キンボールです。ものすごく楽しいです。チャンバラは、男の子たちの力が強くて、たまに、うでが赤くなったりしていたいときがあります。フロアーカーリングは大会があったりします。今年は2位でした。

 どれも楽しくて、スポリティファインに、さんかしてよかったです。



   谷島       活動を通して友達ができるというのが良いところだと思っています。

 スポーツチャンバラも、最初に参加した時には大人の影にかくれていたような子も、続けるうちに積極的になっていき、最近では気迫にあふれています。下の写真は、今や素晴らしいフォームで競技している様子です。小学生は毎日の学校や、家庭でも運動をしながら育っていきます。私は、学校のクラブ以外にも、多くの機会があることが大切だと考えます。

 参加いただいた方に、小学生のお子さんがいらっしゃる方はいますか?小学生の運動ということでご意見や感想をいただきたいのですが。のちほど可能でしたらお願いします。

 最近「子どもが危ない」という本を読みました。子ども達の心も体も危ないのだということが書かれていました。体力測定をしても昔と比較すると随分劣っているそうです。このままの状況では、そのうちに自分の子どもも抱けないようなお母さんが現れるかもしれないだとか、高齢者を自宅で介護することも難しいということが書かれていました。

 

 もみじ台まちづくりセンターの田中所長は教育委員会にいらっしゃったということで、前職のときに、子どもとスポーツに関して心に残っていることがあれば教えていただけますか。


     もみじ台まちづくりセンター 田中所長

 

 私は前職で教育委員会の生涯学習事業に関わらせていただきました。その中でスポーツ等と同じ体験活動の一つとして、野外教育や社会教育に携わっていました。在任中に、札幌市の教育振興計画が教育委員会で策定されましたが、これは平成26から10年間の取組で、その中で札幌の子どもの体力・運動能力について、全国平均より低い傾向にあることや、スポーツ等に関する習慣については、積極的に運動する子どもそうでない子どもの二極化が進んでいることが課題とされ、一週間の運動量を高めようという数値目標も立てられています。

 

 また、生涯学習推進課では、土曜日の時間を子どもに有意義に過ごしてほしいと「サッポロサタデースクール事業」を平成26年からモデル事業で取り組み、実施を始めています。地域の多様な経験や技能を持つ人材や企業に協力をいただき、地域の方が先生になって実施しています。これまで実施した中では、特に体育が人気の内容でした。もみじの丘小学校も実施校の一つで、フロアカーリングを中心に継続して活動をしています。このように、生涯教育の推進もスポーツにつながっていると思います。 


 もみじ台南中学校 中山校長

 

 中学生でも、やはり運動をする子としない子の二極化が進んでいます。6割を超える子どもが運動部に入っていますが、その一方で運動をしない子は全くしない状況です。いわゆる帰宅部の子は、多くが文化活動も習い事もしていません。この子達に目を向けるという課題は以前からありましたが、文科系も含めて運動を進め、小中学生の時期にスポーツに興味を持ってもらう取組が進められています。

 本日のお話を聞いていると、いろいろなところで子ども達のことについて考えられ取組があるのですが情報がなかなか入ってこないのが現状です。受け皿の広い、いろいろなことができるといいと思っています。中学校では、学校生活の中でなかなか運動が進められず、内容は部活動に縛られてしまいます。一方小学校では縄跳びを取り組むだとか、上手く学校生活に運動を取り入れられていると思います。中学校でもスポーツに目を向けようと考えているところですが、例えば芝を使って何かできないかなと考えています。芝のトラックは、根が張ってしまうと管理が難しいのですが、子どもたちが体を使って自分たちで整備するということも考えています。

 もし地域のクラブ活動に中学生も混ぜてもらえるようなことがあれば、出席参加させていただきたいと思っています。


    もみじの森小学校  若松校長

 

 小・中学校では新体力テストを行っています。結果を集計すると、落ち込んでいるところがあると感じます。運動をする子は少年団活動も盛んにやっているので、運動をしない子との二極化は明らかに進んでいます。教育委員会からは体力づくりについてプログラムを作成し学校で取り組むよういわれています。1〜6年までの体力状況を数値化し、劣っている部分を伸ばすために、休み時間の縄跳び活動を進めているところです。土日や放課後は、少年団活動でかなり時間を使っているということがあり、土日はグランドや体育館も埋まっています。今後は学校生活の中で休み時間や体育の時間で活動を補っていく取組を進めなければならないと話し合っています。


 谷島 土日に何かをやろうとすると、参加してもらえる余地はあるのでしょうか。問題は子ども達がどう感じてくれるかにもよると思うのですが。お子さんのいる方、いかがでしょう。

 

       交通安全母の会 小澤さん

 

 私は6年と1年の子どもがいます。6年だと子どもだけでその開催場所に行けると思いますが、1年生だと原則保護者も一緒に行くということがあり、仕事をしている私はその時間に一緒に連れて行けないという問題があります。1年生の子どもだけで行けないということになると、6年生の子も行かないよとなります。まして、通っている小学校の体育館なら大丈夫だと思いますが、行ったことのないところに子ども達だけで行かせられるかということが、保護者として心配があります。何度か通ううちにそこで友達ができて、高学年と一緒に通えるようになるなら大丈夫と思いますが、なかなかそういうきっかけがないという現状です。


 

 谷島 学校と家庭だけでは運動が足りない、という雰囲気はあるのでしょうか。そうであれば、私たちももっとがんばらなければならないと思います。

 もみじの丘小学校で老人クラブか自治会が協力した行事があったと聞きましたが。

 

 もみじの丘小学校 山口校長

 

 本校で取り組むサタデースクールの一環で、今年度は年に7回、主にフロアカーリングを中心に行っています。夏休みには2回行い、そのうち1回はパークゴルフ場に子ども達を連れて行き、もう1回は陶芸体験をしました。この取り組みは、体力の向上だけでなく、地域で子ども達が役割を得て、地域の一員であるという社会性を育てるということが大切だと考えています。このためには、家庭の協力・地域の協力は絶対的に必要です。

 スポーツは子どもの数が多かった時にはそれぞれにサッカー少年団やバスケットボールの少年団がありましたが、今のように子どもが減ると少年団組織が成り立たなくなります。もみじの丘小学校では単独の少年団はありません。合同の少年団としてもみじの森小学校に練習に行ったり、地域のクラブチームもありますが、以前よりもスポーツの選択肢が減って来ているのは確実です。子どもがスポーツを選べなくなっているという状況と、保護者の理解ということも関係があります。民間のクラブチームに通わせる家庭もありますが、学校から帰った後の放課後や休みの時間に体を動かす機会は絶対的に減っていると思います。そんな中、地域の人が中心になる取組があるというのは、ありがたいことです。もっと学校もこれをアピールし、保護者の理解も進めながら子どもたちに参加してもらいたいと思います。ちなみに来週の土曜日はフロアカーリングを予定しています。

 

 東 地域ではつながりと支えあいのまちづくりを進めているところですが、もみじ台には地域全体で子どもを育てる「地育」という取組があります。登下校の見守りももちろん大切なことですが、スポーツや趣味を通じて、地域で子ども達と一緒に何かをやるということが大切だと思います。先ほど区の方がもみじ台の高齢化率が42.5%と言っていましたが、戸建住宅にすると60%を超えています。その中には時間の余裕がある人たちがたくさんいます。地域団体と協力し合って子ども達と関わる機会づくりをしていくことも必要だと考えています。私は冬に、もみじ台南中学校にクロスカントリースキーを教えにいっていますが、「地育」ポスターが学校に貼ってあります。各種の地域の団体が一緒にその活動を進めていくことが大切だと思います。学校と地域が一緒に子どもを見守り育てていく取組をまちづくり会議に提案しながら進めていきたいと思います。 


谷島     もみじ台中学校の生徒さんは、クラブ活動への参加率はどうなっているのでしょうか。

  

     もみじ台中学校 平田校長

 

 今年4月にこの地域に来たのでよくわかっていないことも多いのですが、6〜7割の子が部活動に参加しています。文科系の部活は吹奏楽部と美術部があります。部活動に参加していない子は運動の機会を見つけることができていません。学校行事では陸上競技大会を厚別競技場で行っています。昔行っていた遠足や球技大会もなくなりましたが、陸上競技大会が雨で中止になった時に球技大会を行っています。その他、学年単位で雪中運動会や、フリースロー大会を行ったりしていますが、年間を通した運動はなかなかできていません。小学校の取組を中学校でも続け9年間行うことができれば、子ども達も継続的に取り組めると思いますが、まだ具体的なことにはなっていません。

 生徒数が減るとともに教員数も減っており、同時に部活の指導者も減っています。女子ソフトボール、バスケットボールも休部になりました。こうした状況のなか、地域の力を借りて指導者を募って部活を存続していくこともできるのではないかと思っています。地域の方々に学校へ関わってもらい、指導者として何人か協力をいただきたいと思っているところです。文化活動を行っている子や、部活に入っていない子への取組も行いたいと思っています。

 地域でフロアカーリングが行われていますが、中学生でも十分楽しめる種目だと思いました。また、「雪かきでスポーツ」ということも教育委員会から話題として出ています。毎日決まった時間には対応できないのですが、できる範囲であれば、体力づくりとしてできることの一つとして考えられると思います。中学校として地域発信し、地域からもできることを協力し合えるような関係ができるといいと考えます。

 

 谷島 これまでの先生方のお話を聞いて、スポリティがもっと力をつけないといけない気がしています。放課後や土日にできる活動が必要なのかと思います。スポリティファインの事業に「親子雪上散歩」というのがあります。これは。雪の上をかんじきをはいて歩くもので、12月〜1月で3回行う予定をしています。ぜひ親子で参加してもらいたいと思います。

 「キンボール」は大人の競技もあり、中学生も十分楽しめて運動量が結構多いスポーツです。ぜひ体験をしてほしいと思っています。専門家によると、体全体を使って走ることだけがスポーツではない、手指を使うこと、陶芸も、囲碁もスポーツだといわれています。2つ以上のことを同時に頭で考えることは「運動」だといわれているのです。複雑な紙飛行機を作ってみる、などという取り組みも考えられるかも知れません。 



                                         2.高齢者の運動と健康寿命

 

 谷島 それではこれからは、高齢者の運動について感想を聞きたいと思います。

スポリティファインでは、ストレッチ運動を月に3回、年間33回、卓球は月に2回、ノルディックウォークは年10回、歩くスキーは年10回程度予定しています。フロアカーリング交流会も年2回予定しています。

 高齢の方に運動をしましょうという話をすると、今更スポーツなんかといわれます。もちろん膝が痛い人にはなかなか勧められませんが、痛くなる前の予防として、運動をすることは大事なことだと思います。あまり技能を要しない、体力も要しないものはどうかとノルディックウォークを取りあげています。参加者の半田さん、ノルディックウォークをどう捉えていますか 

ノルディックウォーキングの半田さん     

ストレッチ健康クラブの西川さん

卓球の谷脇さん


 

半田 私は42年もみじ台に住んでいます。昨年暮れに後期高齢者になり、記憶力は落ちている気がしています。ノルディックウォークは知人から聞いたことがあり、グループがあればやりたいと思っていたもので、昨年から取り組んでいます。仕事をリタイヤすると家に引きこもってしまうもので、ゴルフなどの趣味があれば出やすいのですが、仕事をやめるとゴルフもしなくなりました。毎日パソコンを数時間やっており、何か体を動かす必要があるということを感じていました。団体スポーツは難しいけれど、ノルディックウォーキングは一人でもできるし、行ってみることにしました。すると、見ているだけだとわからなかったのですが、足だけでなく手も使う運動であったし、適度な疲れも感じられ、やってみて楽しいものだったので、今も続けています。一人でやるのではなくどこかの会に参加すれば外に出て行く機会ができると思います。友達が誘ってくれるのでもいいですね。月2回でも、やらないよりいいと思います。みなさんも、引きこもらず楽しみを見つけるのがいいと思います。

 

 谷島 ありがとうございます。それでは、ストレッチ運動に参加している西川さんにもお話を聞いてみたいと思います。

 西川 私はストレッチ教室ができた最初からではなく、途中から参加しています。動機は、参加費が安いことと、地域の中にあって気軽に行けるということでした。スポリティファインの年会費が1か月分の会費にあたるスポーツジムに通っていました。足を痛めて、歩かないように安静にしている時期があり、近くの運動に参加してみることにしました。するとストレッチをして家に帰る時までに、体が軽くなって、頭の先から足の先までスッキリしたと感じました。ストレッチの先生は、その日の体調に自分の気持ちを傾けて無理のないようにするのが大切だと指導してくれました。ストレッチは一人でもできることかもしれませんが、私はやる場所に身をおかないと、なかなか続けられないので、痛い足を引きずって通い、帰りには普通に歩けるようになっているということが続きました。スポーツジムには行かなきゃいけないという義務感で行っていたのですが、スポリティファインは、あの人に会えるなと思ったり、行くことで気分が良くなったりするような違いを感じました。

 8月に参加者にアンケートをとったのですが、その中では「これからの私の健康を維持するための運動」「ストレッチに出会えてよかった」「体のストレッッチばかりでなく精神のストレッチもしてくれる先生だ」という声もありました。「気がついたらイスから立ち上がる時に手をつかずにすっと立っていて感激」「リラックスして気分転換になる」「皆さんに会っておしゃべりできるのがいい」「歳をとって体が硬くあちこち痛くなりますが、少しできるようになりストレッチは大切なものだと思う」という意見もああります。ストレッチは誰にでも無理なくできる運動だと思います。

 

  谷島  私がストレッチ教室の担当者なので、会費が安いといわれ、嬉しいです。それでは卓球に参加している谷脇さんからお話をお願いします。

 谷脇 最初は卓球をしませんかとお誘いを受けました。私はラケットも触ったことがなかったし、年齢も70代後半ですから、今更運動なんてやらなくてもいいじゃないかと思っていました。しかし先生から、ちょっと練習したらすぐにできるようになるよと声かけがありやってみることにしました。初めてピンポンをやって、球拾いをする方が多いのですが、それも運動になるからいいと思っています。ちょっとラリーが続くと少しおもしろくなってきます。もうちょっと続けると楽しくなるといいなと思いながら、続けているところです。 


谷島 札幌市スポーツ推進計画では、高齢者の運動についても語られています。他の地域で高齢者のスポーツに取り組んでいるところはどんなところがあるんでしょうか。

 

札幌市スポーツ部企画事業課 係長 山本

 

 高齢者についても、それぞれの体力やできることに応じてスポーツに取り組むことが大切です。取り組みの主体として多いのは体育振興会です。札幌市ではスポーツ実施率を上げていくことを目指しています。特にウィンタースポーツを推進したいと思っていますが、新しい人を巻き込むのはなかなか難しいです。スポーツ推進都市札幌として、冬季アジア大会には、ボランティアなど多くの方に関わってもらいたいと思っています。また、オリンピアンを地域に派遣し一流の競技を見てもらうなどの取り組みを進めています。大切なことは、何かを始めるきっかけを作っていくことだと思っています。


  谷島 高齢者のスポーツについて、体育振興会の取り組みは各地で盛んに行われているようです。しかし明確な競技スポーツなので、昔からやっていてうまい人が多いと感じます。うまい人ばかりのところには、これから始めようという人はなかなか入っていけないという課題があります。そういうことなら、誰もがやれるものを考えてはどうかとアドバイスをいただき、スポリティファインでは今行っているような高齢者も楽しめる取組を考えています。【写真 もみじ台自治会、高齢者クラブの皆さま】

       もみじ自治会のみなさん 

 

 今日は敬老の日ということで、町内で敬老のお祝いを配りました。75歳以上の方が対象ですが、それでも150人いらっしゃいました。高齢者と接していると、スポーツがいかに遠くなって来ているかを感じます。その人たちがスポリティファインに携わることがで携わることができるか、とっかかりをつくっていくことが必要だと思います。

 

      民生委員・児童委員協議会 野村

 

 私は民生委員・児童委員をしていますが、民生委員いう立場で高齢者と会った場合は、その方たちはスポーツと縁遠いだろうなと感じます。

 私は東地区のみずほ楓会という老人クラブに入っていますが、510日から1010日まで、ほとんどラジオ体操をしています。期間が長いですが、5月から夏休みまでは楓会、夏休み中は自治会の役員、その後は水曜会という会が実施を受け持つことで実施しています。少々雨が降っても来る人たちもいるので、担当になった人は、誰か来てるかもと気が気でないようですが、少々の雨でも実施しています。お年寄りは、ラジオ体操のように、朝一番にそんなに無理のない形で体の動かすことがいいのではないかと思います。

 個人的にも、体を動かすこと=遊びという感覚で運動をしています。今は歳もとったので無理をしていませんが、40代後半から走りを始め、北海道マラソンにも15年連続で出走して、10回完走しました。佐呂間100キロマラソンという、13時間以内制限のものにも参加していました。体を動かすことはいいことだと思っています。

 今の子ども達はかわいそうに感じます。スポーツをやりたくてもチームの人数が少なくて学校一つでは実施できないのです。

 高齢者も、歳だからといって閉じこもっていないで、体を動かしていたらなんとかなると思います。健康寿命の意識を持たせないといけないと思います。私は今年で民生委員の任期を終えるので、やめた後にはなにかやらなければと思っており、スポリティファインの手伝いもしていこうと思っています。

 

      プラビ西会 加藤

 

 今年初めて西会福祉推進会が主催して、町内で子どもを含めた交流会を行いました。西自治会は高齢者ばかりで子どもが少ないと思っていたのに、たくさんの子ども達が参加してビックリしました。来年はどのようにするかまだわかりませんが、色々な年齢の人がお話しをしたり、運動したりできるといいと思っています。プラビ西会はパークゴルフ場があり、火曜と金曜に52人の会員のうち約40人が参加してやっています。パークゴルフも高齢者にはいいスポーツだと思います。自分はゆっくりした運動は好きでないので参加していませんが、注意しながらスポーツをしていきたいと思っています。もう道具が古くなってやっていませんが、昔はスキーもよくやっていました。これからは高齢者がやれるような何かスポーツをしていきたいなと思っています。

  

 谷島 西地区で夏祭りをするので子ども達の遊びを用意したいけれど何かないだろうかと相談を受けたので、輪投げとストラックアウトを持っておじゃましました。当日は小中学生がとても喜んでくれました。今度またどこかの自治会でそのような交流会を考えることがあれば、近くに集まってノルディックウォーキングをやって、そこに帰ってくるというようなこともできるのではないかと考えています。そうやって、私たちの活動と自治会とが一緒にできることも考えた方がいいなと思っています。

 

      もみじ自治会 藤田

 

 実施してみることも大切だと思いますし、実際にやっているのを見せてみることも大切だと思います。


   3.中年世代の運動

 

谷島 きっかけがあれば参加する気持ちになる、それが大事だという意見もありました。

 

 これまで子どもと高齢者のスポーツについて話をしてきましたが、若いお母さんやパパは大丈夫なのかと心配しています。交通安全母の会の小さん、お父さんの運動の状況はいかがですか? 

    【写真 右側から小澤さんと保護者のみなさま

小澤 人は中学高校と6年間柔道をしていたそうで、それなりに体格が良いのですが、今は仕事のみの生活で、休みの日は寝ています。体を動かすことがない生活です。でも子ども達と運動をする場所もないのはたしかだと思います。下の男の子にはスポーツの習い事をさせたいと思う気持ちがあるようですが、こういうところでやっているクラブに、主人も誘って、子どもも一緒に参加できるものがあるといいなと思います。私は子供の頃から運動が苦手でしたが、何か運動をしなければとは思っています。しかし時間がないということが問題です。

  もみじ台南中学校 有馬 上の子どもがもみじ台南中学校3年生でソフトボールをしていました。この間引退して体を持て余してます。その応援がきっかけで、最近夫と娘が親子でキャッチボールをするようになりました。年頃で口もきかなくなるようなのが普通だと思いますが、キャッチボールを通じて仲良くなってくれました。また、下の6年生の女の子はそれを見ていてソフトボールをやりたいなと思うようになりました。小学校にはソフトボールのクラブがないので、中学校の先生にお願いをして部活動にたまに参加させてもらって、そういうことをきっかけに体を動かすようになりました。私は何も運動をしていませんが、応援がすごく楽しいです。土日に一緒に試合に出かけて応援するようになったのもスポーツのおかげです。中学校では部活動もあるのですが、きっかけがあれば、小学校のうちから何か幅を広げる運動、バトミントンや卓球などをできる場があれば、やりたいという子もいると思います。

 

 谷島 南中学校のソフトボール部は中学生の全国大会にまで出場しました。

 

もみじ台南中学校 PTA会長代理  私ももみじ台南中学校に3年生の娘、もみじの丘小学校に6年生の娘がいます。中学生は3年生なので卓球部を引退し、受験があるので仕方がないですが、何も運動をしなくなりました。小学校の娘は、学校でフロアカーリングをやっているのに、今まで一度も参加したことがありません。勧めてはみるものの、なかなかきっかけがなく参加できないようです。

 一度45年生の時に、参観でフロアカーリングをしているのを見に行ったことがあります。地域の方が子ども達に教えていれているのですが、子どもも盛り上がっていましたが、教えていらっしゃる方々が子どもと接するのがとても楽しそうで、微笑ましく見ていました。孫のように手取り足取り教えてくれて、子どもより早く球を取りに行ったり、体を動かしていました。高齢者だけでやるのもいいですが、子どもと一緒にやるのがとても楽しそうで、こういう取り組みはすごくいいと思いました。

 

 谷島 約束はできませんが、お父さんお母さんが何人か集まって「これをやりたいんだけれど」というものがあれば、応援できることがあると思っています。2~3年のうちなら用具をそろえることもできると思うので、ぜひ考えていただきたいと思います。

   今日は積極的なご意見を聞き、参考になりました。これからこれらを組み合わせて何をやっていくのか考えていきたいと思います。自治会にこんなことをやりませんかと相談に行くこともあるかもしれません。地域の子どもと大人達、みんなが一緒に活動を進めていける会にしていきたいと思っています。

この活動をしていくことが、もみじ台のまちづくりの一つとなると思っているので、会費は必要なだけいただくことを考えています。実際に会を運営してみると、いろいろ必要になってくるもので、会費をどうするかで悩んでいます。この件はまた別の機会にご意見をお聞きしたいと思います。

  

 もみじの森 若松校長   みなさんのお話を聞いていて、いろいろなきっかけが必要だという意見が出ていました。学校としては、いろいろな意味で地域住民や子ども達が集まりやすい場所で行ってもらうのが一番ありがたいと思います。子ども達だけで行くこともでき、親と一緒に行くこともできる場所を選定して活動してもらえると、学校としても積極的に子ども達に参加を呼びかけていくことができると思うので、ぜひお願いします。



Ⅳ 閉会にあたって

 

  小川直人 顧問(札幌市市会議員)

 

 長時間に渡りいろいろな意見をいただきありがとうございました。私はスポーツ議員推進連盟の幹事長をしており、体育系の活動をしています。今、リオオリンピックパラリンピックなどが行われ、競技スポーツが脚光を浴びています。それと合わせて、スポーツ選手を支える活動もあると再認識しました。

 札幌市は少子高齢化が進み人口減少社会になる中で、元気なまちを維持していく取組を進めていますが、今日も地元の色々な方達に集まっていただきました。さまざまな取組を工夫しながら、大いに地域を盛り上げていっていただいているところです。

 そうした中、スポーツは地域を元気にするのに大事なものだと、今日の皆さんのご意見を聞きながら再認識しました。スポーツに関わる組織として学校の部活、体育振興会、競技団体などがありますが、もっと地域にスポーツが根付いていくためには、さらに総合型地域スポーツクラブの必要性があると感じました。スポーツをすることで自分が元気になり、家庭のコミュニケーションが良くなり、地域のコミュニケーションも良くなり、健康寿命も長くなると、いいことづくめです。スポーツは地域の元気のためには素晴らしいことと思います。私もこの活動を応援していきたいと思います。

 

 札幌市では2026年の冬季オリンピックの計画をこれからJOCへ提出するところです。また来年は冬季アジア大会が行われます。2019年はラグビーワールドカップの開催地の一つになっており、2020年の東京オリンピックではサッカーが札幌で行われる予定です。札幌市ではスポーツを通じてまちを元気にしていきたいと考えています。ご存知のように、スポーツはアスリートだけのものではありません。大会を支えるのは地域の人たちです。こういった地域のスポーツ活動も大会を支える力の源になっていると思います。もみじ台からスタートし、私はこの総合型地域スポーツクラブを全市に広げていきたいと思っています。